2008 年 43 巻 3 号 p. 174-176
走査電子顕微鏡においては最近の技術進歩により,取得できる情報量が著しく増加してきている.一回の走査で複数の検出器からの情報を一度に取得できるようにもなって来た.取得データ量が増加するに伴い像情報解釈の重要性も増している.それぞれの検出器からの像情報は検出器単独からなるわけではなく,電子光学系など装置内の他の部分と関りを持って形成されている.本稿では磁界・静電界複合式の対物レンズ及び光学系に検出器を組み込んだSEMにおける二次電子,反射電子信号の検出,像形成の原理について概説する.