顕微鏡
Online ISSN : 2434-2386
Print ISSN : 1349-0958
解説
細胞の無標識分子イメージング
藤田 克昌
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2008 年 43 巻 4 号 p. 268-272

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抄録

光を分子に照射した際に見られる光学現象である,ラマン散乱やコヒーレントアンチストークスラマン散乱(CARS),ならびに高調波発生を用いれば,細胞や生体組織内の分子を標識せずとも顕微観察できる.ラマン散乱,CARSは分子の振動を検出しながら,その空間分布を観察像として与える.高調波発生は,コラーゲン,ミオシン等の生体内で配列構造をつくる非中心対象性分子のみを特異的に検出する.化学的,生物学的な標識技術は観察対象を改変する恐れがあるので,これらの光を用いた無標識イメージング技術は,生きた試料を観察する上で重要である.

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© 2008 公益社団法人 日本顕微鏡学会
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