2010 年 45 巻 2 号 p. 75-77
オートファジーは,真核生物に普遍的に備わっている細胞内消化機構であり,様々な生理機構や病気の発症に関与している.オートファジーを担うオートファゴソームの膜の起源については,長年謎のままであった.筆者等は,オートファジーに重要な遺伝子を変異させた細胞では,膜が途中で成長を止め,その近くには常に小胞体が存在することを明らかにした.さらに,電子線トモグラフィーを用いて解析した結果,小胞体の一部から膜が延びてオートファゴソーム膜になっていることが明らかとなった.小胞体に抱かれてオートファゴソーム膜が成長していることから,小胞体が成長する膜の“ゆりかご”の役割も果たしていると考えられる.