顕微鏡
Online ISSN : 2434-2386
Print ISSN : 1349-0958
特集:電子線ホログラフィーで究める物質科学
マンガン酸化物の磁気相転移と微細構造
―電子線ホログラフィーとローレンツ顕微鏡法を用いた直接観察―
村上 恭和葛西 裕人金 中正馬見新 秀一進藤 大輔森 茂生外村 彰
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2010 年 45 巻 3 号 p. 161-165

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抄録

ペロブスカイト型構造を持つLa0.25Pr0.375Ca0.375MnO3は巨大磁気抵抗効果(CMR効果:磁場による電気抵抗の著しい減少)を示す典型的な物質である.CMR効果はキュリー温度の近傍で最も顕著になるという性質があり,磁気微細構造とマクロな伝導性との関わりに関心が寄せられている.本研究では電子線ホログラフィーとローレンツ顕微鏡法を駆使して,液体窒素温度以下の低温域で起こる磁気相転移のプロセス(核生成・成長のメカニズム)と,それによって生じる磁気微細構造の特徴・性質を調べた.さらに電子顕微鏡の観察結果のみを使って,結晶磁気異方性定数などの主要な磁気定数を求めた結果を報告する.

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© 2010 公益社団法人 日本顕微鏡学会
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