顕微鏡
Online ISSN : 2434-2386
Print ISSN : 1349-0958
最近の研究と技術
負の熱膨張材料ZrW2O8の微構造解析
佐藤 幸生山村 泰久幾原 雄一
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 50 巻 3 号 p. 197-200

詳細
抄録

タングステン酸ジルコニウム(ZrW2O8)は通常の材料とは異なる負の熱膨張性を有しており,その体積収縮と結晶構造内のWO4四面体の配向状態には密接な関連があるとされている.本稿では,暗視野透過型電子顕微鏡法(TEM)および走査透過型電子顕微鏡法(STEM)を用いたWO4四面体の配向分布可視化について紹介する.秩序化したWO4四面体の〈111〉配向が180度反転している領域および〈111〉配向が無秩序化した領域の形成が明らかとなり,本材料の微構造ならびに添加元素効果が解明された.

著者関連情報
© 2015 公益社団法人 日本顕微鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top