顕微鏡
Online ISSN : 2434-2386
Print ISSN : 1349-0958
特集:電子顕微鏡画像と機械学習の協働
単粒子解析におけるタンパク質構造分類のための深層学習アプローチの動向
馬水 信弥田中 康太郎安永 卓生
著者情報
ジャーナル フリー

2020 年 55 巻 3 号 p. 104-108

詳細
抄録

クライオ電子顕微鏡による単粒子解析では,試料中に含まれる複数のタンパク質構造を分類しながら解くことが出来る.ただし分類された構造間のダイナミクスの情報は類推するしかない.この問題について2020年に発表された三次元再構成およびクラス分類を行うための深層学習アプローチであるcryoDRGNは,離散的なデータ分割による構造分類を脱却し,連続的な構造分類を実現した.そこでは,オートエンコーダーをベースとし,入力粒子画像から投影パラメーターに依存する情報を分離して潜在空間を構築している.本稿では従来の構造分類と,cryoDRGNおよびその背景となる深層学習のトピックについて解説を行ったのち,構造分類のベンチマークとして6種類の複合体を有するGroEL/ESの実データについて三次元再構成とその分類を試みた.

著者関連情報
© 2020 公益社団法人 日本顕微鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top