顕微鏡
Online ISSN : 2434-2386
Print ISSN : 1349-0958
特集:電子顕微鏡画像と機械学習の協働
細胞生物学における画像の定量評価と機械学習
檜垣 匠秋田 佳恵
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2020 年 55 巻 3 号 p. 109-113

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抄録

細胞生物学分野において顕微鏡画像の評価は基本的かつ重要な研究手段である.これまでの顕微鏡画像の評価においては研究者の目視に基づく定性的な解釈に留まることが一般的であった.しかし,このような従来法は客観性に欠けるだけでなく,評価すべき画像の枚数が増えれば増えるほど人的コストも膨大になるという問題点があった.我々はこれらの問題を解決すべく,細胞生物学分野の研究現場の立場から,画像解析と機械学習の技術を活用して,細胞の特徴を定量評価・分類するシステムの開発に取り組んできた.本稿では,我々がこれまで開発してきた細胞骨格構造の定量評価とクラスタリングに基づく画像データマイニング法や,大量の画像を短時間で分類判定する汎用的生物画像分類ソフトウェアCARTA,広域顕微鏡画像から任意の細胞内構造を高効率・低コストで検出する手法などについて概説する.

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© 2020 公益社団法人 日本顕微鏡学会
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