科学基礎論研究
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真理と人格
弁証法的理性の実践的批判のためのプレルーディエン
九鬼 一人
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1995 年 23 巻 1 号 p. 45-50

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抄録
本稿は, ストローソンの「真理の遂行説」を, 新たな形で継承することを主題とする。遂行説はオースチン等からの批判のためにあまり顧みられていない。がしかし, それに対する過去の多くの批判は, 遂行説と人格概念とを結合することで, 回避できると考える。真理とは「(1)判断という行為において (2)人格たる認識者によって (3)態度決定された事柄である」と捉えることで, 批判から逃れうるのではないか。まずストローソン, そして遂行説的スタンスを先駆けて提唱したリッカート(1)とともに認識の原基的場面を判断という行為に求める((1))。そしてリッカートを介して, 判断行為の主体が人格であることを押さえる((2))。この改作した立場からいかに遂行説を復権できるかを述べたい。((3))。
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