科学基礎論研究
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抽象的対象の導入は正当化されるのか
津留 竜馬
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2000 年 28 巻 1 号 p. 15-21

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抄録

クリスピン・ライトらが提唱する「フレーゲ的プラトニズム」の立場は, 数などの抽象的対象の存在を擁護する果敢な試みであるが, またそれゆえに, 多くの批判的議論を呼ぶものでもあった.様々な批判の中で特に重要なものとして, ダメットに拠る議論 (Dummett [1991]) を挙げることができるだろう.また, ライトとダメットとの間には, その後この問題を巡っての議論の応酬もあった (Wright [1998a], Dummett [1998], Wright [1998b]).この小論では, 「フレーゲ的プラトニズム」の是非を巡る彼らの間の論争を検討したい.

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