1959 年 1959 巻 10 号 p. 189-193
並木植一培土を標準とする東北地方の湛水直播栽培と正条植による移植栽培とにおけるいもち病の発生を比較検討した。ポツトによる接種試験では直播の方に発病が多かつたが, その原因として根の生育が移植操作により阻害されることがなかつたためにポツト内によく拡がり, 多量の窒素を吸収したためと思われる。
圃場試験の結果ではいもち病の発生は移植したものに多く, その原因として移植水田では春耕時に土壌がよく乾燥し, 乾土効果が強く出たことが考えられる。このことは稲の生育や稲体の窒素分析の結果からも裏付けされた。