抄録
国立公文書館所蔵の広橋家・日野家旧蔵資料は明治25年(1892)から26年にかけて内閣記録局によって謄写されたものである。謄写資料という性格上、使用に際しては謄写された資料がどの程度原状を反映しているかに注意が必要となる。本稿はまず、この謄写事業の概要を公文書から明らかにし、謄写された資料を使用する上での留意点について論述する。
また、広橋家・日野家旧蔵資料の中には旧蔵情報に混乱が見られるものがある。そこで、本稿では資料に貼付されたラベルのほか、刊行された目録や公文書の中に残された目録の情報を比較することで、広橋家・日野家旧蔵資料の整理・管理の沿革を通覧することを試み、本来の旧蔵者や旧蔵情報の混乱の原因について考察する。