行動リハビリテーション
Online ISSN : 2758-7924
Print ISSN : 2186-6449
プロンプトを利用した想起記銘方法の効果
黙読による記銘方法との比較
山﨑 裕司五藤 沙矢佳稲岡 忠勝宮﨑 登美子柏 智之
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2020 年 9 巻 p. 24-26

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抄録
本研究では,ホルモン名の記憶を課題として,読む記銘法とプロンプトを利用して想起する記銘法のいずれが記銘速度を向上させるのかについて検討した.対象は,健常者20名(21.0歳)であり,無作為に2群に分けた.記銘前にホルモン名(25個)の想起テストを実施した.一つの群(黙読群:10名)には,ホルモン名を記したプリントを2回読む記銘方法を実施させた.もう一つの群(想起群:10名)には,プロンプトとして先頭から3文字から2文字を残したプリントを用いて1回の想起練習と解答の確認を実施させた.練習後,ホルモン名の想起テストを実施した.そして,完全に記銘できるまで最大で9回反復させた.ホルモン名の記銘に成功した対象者は,黙読群4名(40%),想起群9名(90%)であり,有意差を認めた(p<0.01). 記銘できたホルモン数は,黙読群・想起群の順に,2回目テスト4.7個・5.8個,3回目9.2個・12.5個,4回目11.7個・16.1個であり,4回目で有意差を認めた(p<0.05).以上のことから,想起法が,黙読法に比較して記銘を完成させるうえで有効なものと考えられた.
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© 2020 行動リハビリテーション研究会
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