抄録
企業のコミュニケーション活動は、そのステークホルダーなどの他アクターに対して行われる伝達行
為である。その行為はその受け手に対してなんらかの認識の変化や行動を期待するものが、メッセージの送
り手と受け手の間ではそれぞれのコンテクストの違いから齟齬が起きることがある。共有できるコンテクス
トを調整しなければ、スムーズな意思伝達は不可能である。本論文では、そうしたコンテクストというもの
について、伝達の基礎理論から語用論や関連性理論の観点のレビューを経て、サービス・ドミナント・ロジ
ックにおける文脈価値の視点を交えて、コンテクストとコミュニケーションについて考察するものである。