Anaphothrips sudanensis成虫の色彩と翅長の変異, ならびに性比を, 長崎県の局所個体群を対象として1998年から2000年までの継続調査によって把握した.成虫は周年採集され, 性比は常に雌に偏っていた(雌比率80%以上).色彩タイプには雌に5タイプ, 雄に2タイプを認めた.雌には長翅型と短翅型, 雄には短翅型のみを認めた.雌の1つの色彩タイプには短翅型のみが出現し, 別の2つの色彩タイプには長翅型のみが出現した.雌の残り2つの色彩タイプには長翅型と短翅型の2型が出現したが, 長翅型個体はごく少数であった.長翅型および短翅型で, それぞれ異なる色彩タイプであった個体間に相対翅長値(左前翅長/頭幅)の差異は認められなかった.色彩および翅長の決定は季節的な影響を受けないと考えられる.
