昆蟲.ニューシリーズ
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ヒナバッタ属2種とヒロバネヒナバッタ属1種の比較核型分析
吉村 文小原 良孝安藤 喜一
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2003 年 6 巻 4 号 p. 167-175

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抄録

日本に生息するヒナバッタ亜科のうち,ヒナバッタ属2種(ヒナバッタ,チシマヒナバッタ)とヒロバネヒナバッタ属1種(ヒロバネヒナバッタ)の核型について,通常染色とC-バンド染色を用いて分析した.3種とも2n=16+XO♂/XX♀であり,3対の大型両腕性染色体を含んでいた.C-バンド染色によって,3種ともすべての染色体を識別することができた.3種はそれぞれ種特異的なバンドパターンを示した.ヒロバネヒナバッタのみで観察された第4から第7およびX染色体の小さな短腕はユークロマチンで構成されていることが判明した.3種の比較核型研究からヒロバネヒナバッタは日本産ヒナバッタ属の種とは異なる染色体進化を経てきたことが示唆された.

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© 2003 日本昆虫学会
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