日本蚕糸学雑誌
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麹かび菌の蚕体侵入から見た蟻蚕消毒の適期について
大場 治男
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1951 年 20 巻 3 号 p. 186-187

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抄録

麹かび菌を蟻蚕に塗沫接種し, 一定時間ごとに蚕体消毒を行つて蚕体侵入までの時間を見出し, 蟻蚕消毒の適期について試驗した。
1) 麹かび菌を蟻蚕に塗沫した場合26-27℃, 90%以上の條件下に於ては7時間以内では蚕体侵入を認め難いが, 10時間以後では明かに侵入を認め, 20時間を経過すればほとんど全部が侵入を受けることを明かにした。
2) したがつて蟻蚕浩毒ば菌が蚕体に附着してから7時間以内に行えばよい。
3) しかし接種直後よりも3-5時間経過した後に浩毒するほうが効果が高い。この原因は明かでないが, おそらく適当條件下に於て胞子が発芽から侵入までの間に薬劑に対する抵抗性が弱わまる時期があるためであろう。

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