日本蚕糸学雑誌
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再出卵に関する研究
晩秋採蚕種の洗落における再出卵の発現に及ぼす産下後35日間の卵保護温度の影響
河合 孝
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1961 年 30 巻 3 号 p. 197-200

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抄録

散種製造の際における越年卵の産下後35日間の保護温度 (15°, 20°, 25°, 300および35℃) と再出卵の発現との関係を晩秋蚕期に紹興油×支122号と (豊光×新玉) × 紹興油とを用いて, 産下後40~70日にわたり2.50と15.0℃ の水で洗落して調べた結果は次の通りである.
1) 産下後35日間の卵の保護温度間に再出卵歩合に関し有意差 (1%) が認められ, 150℃区が再出卵歩合が最も高く温度の上るにつれて低くなり, 30℃ 区が最も低く, 35℃ 区では再び僅かながら高くなっている.
2) 再出卵の発現を最少にする産下後35日間の卵の最適保護温度は回帰曲線からの算出によると30℃ 附近にあると思われる.

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