1970 年 39 巻 4 号 p. 305-309
1968年の春蚕期と晩秋蚕期に3種の有機溶剤を用いて, 交尾蛾の分離に有効な混合液をえる目的で実験を行なった。
1 春蚕期において, ダイフロンソルベントS3, ダイフロンソルベントS2およびアセトンの混合液を, 交尾蛾に散布することによって, 分離が可能であることがわかった。
2 晩秋蚕期は混合比をかえて実験し, つぎの結果をえた。
1) 散布液量は0.01ml/1cm2の散布が分離歩合が高く, 分離した雌蛾および雄蛾への障害も少なかった。
2) 散布圧力は0.5~1.0kg/cm2の範囲が適当と考えられる。
3) 散布時の室温は20~30℃の範囲内では, 室温の高いほど産卵数が多かった。
4) 交尾蛾の分離および産卵数からみると, ダイフロンソルベントS3, ダイフロンソルベントS2およびアセトンの混合比が54:36:10の混合液が適当と考えられた。