1982 年 51 巻 6 号 p. 494-498
桑の稚苗生産に対するさし床用土 (川砂) の好適水分を明らかにするため, 砂柱法によりPF 0, 1.0, 1.3, 1.5, 1.6の5段階に用土を調整して古条さし木を行い, 25日間にわたり29℃の桑稚苗育成室で保護し, 発芽および新梢の生育, 発根状態などを調査した。さし床用土のPFが低いほどさし穂からの発芽が良好で, 発芽率も高くなったが, 発根率はPF1.3区とPF1.5区で95%と最高を示し, 発根量もPF1.3~1.6区で1gを越えた。また, 発根量の多い区ではカルスから発生する根量の割合がともに大きい。以上の結果から, 桑の稚苗生産に対する好適土壌水分は。川砂用土の場合PF1.3~1.5の範囲にあることが認められた。