日本蚕糸学雑誌
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キボシカミキリの大量飼育用人工飼料の改善
河上 清島根 孝典
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1985 年 54 巻 4 号 p. 315-320

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抄録

キボシカミキリの人工飼料による大量飼育を一層安定して簡便に行えるよう, 使用する人工飼料の改善を計るため, 添加する防菌防ばい剤の本種の成長発育への影響, および微生物汚染防止効果を調べた。供試した2種類の人工飼料のうち, スターターはふ化幼虫に対して用い, グロワーはふ化2週間後の幼虫から成虫に対して用いた。スターター飼料には2種の防菌防ばい剤, ソルビン酸とクロラムフェニコールが, グロワー飼料には4種の防菌防ばい剤, ソルビン酸, クロラムフェニコール, p-ヒドロキシ安息香酸メチル, およびホルマリンがそれぞれ添加された。これら両飼料を用いてキボシカミキリを通常の室内条件で飼育したところ, 飼育期間中における微生物汚染は十分に防止され, 本種の累代飼育が可能であった。飼料中の防菌防ばい剤は, 幼虫成育, 蛹化, 羽化, 生存率, および成虫体重に対し, 何ら悪影響を与えなかった。

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