1988 年 57 巻 6 号 p. 470-474
クワゴマダラヒトリのへい死虫より分離した Enterobacter sp. のカイコ及び6種の昆虫に対する経皮感染性について検討した。本細菌はカイコ, オビカレハ, クスサン, オビヒトリ, クワコには感染したが, キボシカミキリ, クワノメイガには感染が認められなかった。なお, 人工飼料育と桑葉育したカイコへの感染性には差異がみられなかった。螢光抗体法による本菌の特異螢光は, 真皮細胞, 脂肪体, 気管に認められた。さらに, 本菌がそれら組織の細胞質内で分裂増殖しているのが電子顕微鏡により観察された。