1989 年 58 巻 2 号 p. 101-105
繭糸繊度を異にする生糸の分子配列度を調べるため複屈折率を測定した。細繊度系 (MK) の複屈折率は標準品種とほぼ同じであるが, 太繊度系 (N5D) のそれは非常に低い。巻取速度が120m/minまでは巻取速度の増加とともに両試料とも配列度は増大するが, それ以上では一定となる。配列度と力学的性質との間の相関はMKには認められたが, N5Dには認められなかった。これはN5Dの非晶部における分子配列度が低いことに起因しているものと考えられる。