1990 年 59 巻 5 号 p. 355-359
絹カードスライバー中のネップの大きさとネップを構成する繊維の太さを調べ, 絹のネップ形成について検討した。絹のネップの大きさおよびネップを構成する繊維の太さの分布は, 基本的には対数正規分布を示した。これについては, ネップを構成する繊維は brin と brin から分繊したフィブリルから成り立っているが, これらはネップ中で均一に混ざらず, 一般に大きいネップは太い繊維, 小さいネップは細い繊維でできているためと考えられる。また, ネップの形成については, まず分繊したフィブリルがからんでネップを作り, これが他の繊維にからんでネップは大きくなると考えられる。