1992 年 61 巻 3 号 p. 207-214
天蚕卵に対し休眠打破効果のあるイミダゾール化合物KK-42とKK-80を用いて, 天蚕卵の人工孵化を行う場合の最適な方法を検討した。その結果, 産下後10日の卵を10日間冷蔵した後, イミダゾール化合物20μg/卵を処理した場合に最も高い休眠打破・孵化率を得ることができた。また, KK-42で処理した前幼虫に20-ヒドロキシエクダイソンを注射すると休眠打破が促進することから, イミダゾール化合物の休眠打破作用は抗エクダイソン作用によらないものであることが確認された。