日本蚕糸学雑誌
Online ISSN : 1884-796X
Print ISSN : 0037-2455
ISSN-L : 0037-2455
数種の桑系統の tukra 病感染葉の形態と生理学, 特に水分量と栄養素の変化
RAMAN SURESH BABUDAVID DORCUSMUNISAMY VIVEKANANDAN
著者情報
ジャーナル フリー

1994 年 63 巻 3 号 p. 183-188

詳細
抄録

Tukura 病は1992年12月から3月までM-5, MR-2, Kosen, 一ノ瀬, Gosoerami, BC2-59, Tr-4とS-13桑系統に観察された。病徴は一ノ瀬でより重く, Kosen とBC2-59で軽かった。その植物が正常な成長を再開したとき, 最初に報告したように患部から多数シュート (3-7) の増殖があった。S-13の tukura 病感染葉は水分含量に有為な違いがなかった。葉緑体色素の著しい増加が全ての tukura 病桑葉で観察された。tukura 病感染葉中の全可溶性タンパク質はMR-2を除く全ての桑系統で減少した。糖分含量の有為な変化は全く tukura 病感染葉では観察されなかった。増加した全スクロース含量はS-13, M-5と一ノ瀬で記録された。しかし, デンプン含量はS-13, M-5, 一ノ瀬と Gosoerami では51-66%と劇的に減少し, そしてその減少はMR-2, Kosen, BC2-59とTr-4では13-21%とより少なかった。全ての系統の tukura 病感染葉では総アミノ酸量が減少した。MR-2とTr-4を除いた他の全ての tukura 病感染葉では総フェノール量がより高かった。tukura 病感染葉の餉食はカイコ飼育と繭生産に影響しなかった。それは tukura 病感染葉の水分, 葉緑体色素, 栄養と全てのモリン因子の保持によるものであろう。病徴と病害感染を基にしたところ, tukura 病感染に対して Kosen>BC2-59>MR-2>S-13の順位で比較上抵抗性であろうと考えられる。

著者関連情報
© 社団法人日本蚕糸学会
前の記事 次の記事
feedback
Top