1995 年 64 巻 4 号 p. 297-301
生糸の節の自動識別装置を開発するための基礎的研究として, レーザー光により計測した節形状波形から抽出した各種類の節の特徴量 (幅, 高さ, 面積, 相互相関, スロープの長さ) に基づいて節の種類識別規則 (ファジールール) を生成した。この識別規則は特徴量を座標軸とする特徴空間を分割してできるファジー集合と特徴空間に位置する節との対応関係を If-then 形式で表現するものである。さらに, 生成した規則の1次元および2次元の分割空間における分布を調べた。その結果, 生成された識別規則は小ずる節に対応するものが最も多く, 次いで小節, 中つなぎ節の順であった。このことから, 小ずる節の識別率が最も高く次いで小節, 中つなぎ節の順で低くなると推定された。また, このとき識別率が高くなる特徴量の組み合わせについても知見が得られた。