日本蚕糸学雑誌
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アカネ・カルス中の色素成分と染色性
遠藤 美枝坂田 佳子片山 明
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1997 年 66 巻 2 号 p. 107-112

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抄録

R. akane の組織培養によって得られたカルスの水抽出液をカラム・クロマトグラフィーにかけ, 4種のアントラキノン色素配糖体と3種のアントラキノン色素を単離した。配糖体を酸で加水分解した結果, アリザリン, プルプリン, プルプロキサンチンおよび2-メチル-1,3,6-トリヒドロキシアントラキノンを得た。また, 主成分であるプルプリン-およびプルプロキサンチン-配糖体はいずれもβ-配糖体であり, グルコースおよびキシロースの2種の糖を含むことを明らかにした。単離した3種のアントロキノン色素はアリザリン, プルプリンおよび2-メチル-1,3,6-トリヒドロキシアントラキノンであった。アルミ先媒染した絹布をプルプリン-およびプルプロキサンチン-配糖体で染色した結果, これらの配糖体は対応するアグリコンに比べてより赤味の強い色に発色した。

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