天蚕の人工孵化において, 効率的に卵殻を除去する方法について検討した。休眠中の天蚕卵の卵殻を家庭用食器漂白剤および次亜塩素酸ナトリウム溶液を用いて溶解し, KK-42で処理し, 一定期間内に孵化する個体の数を調べた。前者では10分浸漬区で, 後者では15分浸漬区で対照と差のない孵化率が得られ, 孵化した個体の飼育成績は対照と差はなかった。また, 浸漬温度は15℃, 20℃, 25℃のいずれでも孵化率に差はなかった。以上のことから, この方法は, 天蚕卵を大量に人工孵化する上で極めて有効と考えられた。