2000 年 69 巻 1 号 p. 39-45
Particle Inflow Gun を用いて, β-グルクロニダーゼ (GUS) 遺伝子をコードするキメラ遺伝子をクワ葉細胞に効率よく導入するための条件を検討した。金粒子に被覆したプラスミドDNAを葉組織に撃ち込んで2日間培養した後, GUS遺伝子の一過性発現を合成基質 (X-gluc) を用いて組織化学的に検出した。発現細胞は青色に染色されるため, 撃ち込まれた葉組織内に現れる青色スポットを数えることにより, 遺伝子導入効率を求めた。その結果, 金粒子サイズ, 撃ち込み回数, 葉組織の前培養期間, 葉組織の前処理が遺伝子導入効率を左右する因子であることが明らかになり, これらの因子条件を最適化することによって極めて高い遺伝子導入効率が達成された。