高分子論文集
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一般論文
配合剤がゴム中でのシリカ粒子の分散挙動に及ぼす影響
畦地 利夫大江 裕彰大原 利一郎
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2006 年 63 巻 6 号 p. 404-411

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抄録

シリカはカーボンブラックと表面性状は大きく異なり, そのポリマーに対する表面相互作用は弱く, ポリマー中で凝集構造を形成しやすいとされている. そのため, シリカ粒子表面への配合剤吸着といったようにゴムコンパウンド中の配合剤の影響を受けやすい. 本報ではシリカ充填ゴム配合系において多用されるオイルおよび加硫促進剤に着目し, それらのシリカ分散性すなわちポリマー-フィラー相互作用およびコンパウンドの物性に対する影響の詳細を把握することを試みた. オイルおよび加硫促進剤はシリカ粒子表面へ相互作用することによりシリカの再凝集を抑制し, 見掛けの分散を促している. その程度は, オイルの場合は二次凝集体が大きく比表面積が大きいほど, 加硫促進剤の場合は促進剤の融点が低くなるほど分散性への影響は大きくなった. この見掛けの分散促進は, シリカ表面に配合剤が存在することとなり, 逆にシランカップリング剤の作用や粘弾特性にも影響を与える.

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© 2006 公益社団法人 高分子学会
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