高分子論文集
Online ISSN : 1881-5685
Print ISSN : 0386-2186
ISSN-L : 0386-2186
一般論文
重縮合を用いたアミノ基をもつ異形高分子微粒子の合成
渡辺 眞次岡崎 一喜鬼塚 郁男村田 美樹増田 弦
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 64 巻 10 号 p. 683-687

詳細
抄録

ヘキサメチレンジアミン(HDA)と α,α′-ジクロロ-p-キシレン(XCl)をポリスチレン-N-(ヒドロキシメチル)アクリルアミド微粒子(PS-HMA)存在下で重縮合することにより,アミノ基をもつ高分子微粒子を合成した.得られた微粒子中のアミノ基は,モノマーの種類やモノマーのモル比,重合後の微粒子の回収率の影響も受けるが,添加したジアミンの添加量とともに増える傾向が見られた.得られた粒子はへこんだ形状をしており,へこみの程度はシード粒子に対するモノマー量の増加とともに大きくなった.モノマーに HDA の代わりに第三級アミンであるテトラメチルエチレンジアミンを用いても,へこんだ粒子が得られた.一方,XCl を加えず,重縮合と同一条件下で HDA で処理した PS-HMA にはへこみは観察されなかった.このことからポリアミンの生成が粒子をへこませていると考えられる.透過型電子顕微鏡観察より,重縮合で生成するポリアミンはへこんだ縁の部分に多く存在することがわかった.

著者関連情報
© 2007 公益社団法人 高分子学会
前の記事 次の記事
feedback
Top