高分子論文集
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一般論文
エステル結合を有する新規ポリウレタンの合成とその酵素分解性
亀井 みどり蔵谷 和英岩永 麻希稲葉 奈美子香西 博明
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2008 年 65 巻 7 号 p. 471-476

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抄録

本研究では,methyl(S)-2,6-diisocyanatohexanoate (LDI),ポリエチレングリコール(PEG)および bis(2-hydroxyethyl) terephthalate (BHET)の反応により新規直鎖型ポリウレタンの合成を行った.このポリマーは収率 95~98%で得られ,数平均分子量(Mn)=2.1×104~2.4×104(Mw/Mn=3.0~3.1)の高分子量体であった.得られたポリマーはジメチルスルホキシドやジメチルホルムアミドに可溶であった.引張強さなどの特性は,汎用ポリマーと同程度の値であり,また,酵素による分解性評価を行ったところ,30 日間で約 95%の重量低下が確認できた.さらに,走査型電子顕微鏡(SEM)によるフィルムの表面観察から,無数の穴やくぼみが見られた.

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© 2008 公益社団法人 高分子学会
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