高分子論文集
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一般論文
重量平均分子量の異なるHDPEおよびPMMAをベースとしたNi複合材料の導電性
清水 克哉中野 創河野 昭彦高橋 聖司西山 聖堀邊 英夫
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2013 年 70 巻 9 号 p. 483-488

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抄録

高密度ポリエチレン(HDPE)およびポリメタクリル酸メチル(PMMA)にNi粒子を充填した導電性複合材料について,ベースポリマーの重量平均分子量(MW)やNi充填率をパラメータに,複合材料の室温抵抗率(ρL)とPTC (Positive Temperature Coefficient)特性を評価した.HDPE/Ni,PMMA/Ni複合材料ともにNi充填率が高いほどρLが減少した.Ni充填量が増加することで多くの導電パスが複合材料中に形成されるためである.Ni充填率が等しい場合,HDPE/NiにおいてはHDPEのMWが小さいほどρLが減少し,PTC特性の発現温度が高温になった.一方,PMMA/NiにおいてはPMMAのMWが小さいほどρLが増加し,PTC特性発現温度が低温になった.これらの結果は,HDPE/NiとPMMA/Niで逆の傾向である.SEM観察より,HDPE/NiではNi粒子が不均一に分散し,PMMA/Niでは均一に分散していた.これよりHDPE/NiではHDPEのMWの低下による結晶化度の増加が導電性に影響し,結晶部の無いPMMA/NiではPMMAのMWの低下による溶融時の粘度の低下が影響していると考察した.

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© 2013 公益社団法人 高分子学会
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