高分子論文集
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表面開始原子移動ラジカル重合法によるPoly(N-isopropylacrylamide)のガラス基板への固定化とヒト間葉系幹細胞(hiMSC)の温度刺激はく離
農宗 辰己今城 明典白石 浩平
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ジャーナル 認証あり 早期公開

論文ID: 2014-0099

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抄録
多能性幹細胞の活用に必要な診断および回収用医療用デバイス(細胞マイクロアレイ)の開発を目的に,Activator ReGenerated by Electron Transfer-Atom Transfer Radical Polymerization (ARGET-ATRP)法により,温度応答性Poly(N-isopropylacrylamide) (PNiPAAm)の鎖長ならびに鎖密度を制御してグラフトしたガラス基板(PNiPAAm-g-glass)を調製した.PNiPAAm-g-glass上のヒト間葉系幹細胞(hiMSC)の接着およびはく離に及ぼすPNiPAAm鎖長およびグラフト密度の影響について検討した.グラフト密度は,重合開始点であるハロゲン化アルキル(2-bromoisobutyl)基の表面固定化量,PNiPAAm鎖長は,重合時間を変化して制御した.PNiPAAm-g-glass上のhiMSCの接着は,グラフト膜厚(PNiPAAm鎖長)の増加および密度が影響し,PNiPAAm鎖長の増加に伴って,接着数が減少する傾向を示した.接着細胞の温度刺激による細胞はく離率(%)は,評価したPNiPAAm-g-glassでは,いずれも80%以上となった.膜厚19.3 nmのPNiPAAm-g-glass基板では,37°Cで培養後,15°C,30 min冷却で接着細胞の98%がシート状にはく離した.
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© 2015 公益社団法人 高分子学会
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