抄録
フッ素含有ビニルエーテル(VE)と共役アルデヒドの制御カチオン交互共重合を行うことにより,フルオラス性を示しかつ汎用有機溶媒に可溶な交互共重合体を合成した.反応条件の詳細な検討の結果,重合溶媒に含フッ素溶媒を用い,EtSO3H/GaCl3開始剤系,添加塩基として1,4-ジオキサン存在下,プロトントラップ剤(2,6-di-tert-butylpyridine)を加えて-78°Cで重合すると,分子量分布の比較的狭い交互共重合体が得られた.さまざまな構造の共役アルデヒドとフッ素含有VEの制御カチオン交互共重合も同様の条件下で進行した.フッ素含有VEのホモポリマーはほとんどの汎用有機溶媒に不溶であったが,得られた交互共重合体は,アルデヒドモノマーが交互に導入されたことで有機溶媒への溶解性が向上するとともに,数種の溶媒中では特有のUCST型温度応答挙動を示すことがわかった.また,交互共重合体のポリマーフィルムは,高い撥水・撥油性を示した.さらに,酸性条件下では完全に低分子量体まで加水分解することが可能であった.