1978 年 35 巻 10 号 p. 649-655
ビフェニル-4,4′-ビスジアゾニウムクロリドと4,4′-ジメルカブトビフェニルをアセトンー水中, 5℃以下で反応させ, ジアゾチォエーテル結合をもつオリゴビフェニレン (I) を得た. 同様の方法で3,3′-ジメチル-および3,3′-ジクロロビフェニル核から成るオリゴマー (II, III) を合成した. オリゴマーI, IIIはDMF, NMP (N-methy1-2-pyrrolidone) 以外の溶媒に難溶であるが, IIは一般有機溶煤に可溶でベンゼン溶液の蒸気圧法で求めた平均分子量は約5000であった. オリゴマーIは溶液中70℃以上で脱窒素分解し, ポリ (4,4′-ビフェニルスルフィド) を生成した. Iはビニルモノマーのラジカル重合開始作用を示した. さらにANとオリゴマーIを等モル近くに混合して70℃に加熱すると, AN, ビフェニル核および硫黄を主鎖に含む共重合体を生成した. オリゴマーの分解温度は置換基によって異なるが, いずれも同様な反応性を示した.