高分子論文集
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部分エポキシ化シス-1,4-ボリブタジエンの毛ノマーシークェンス分布
林 修木村 圭一郎大井 康充上野 治夫
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1980 年 37 巻 5 号 p. 327-334

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抄録

部分エポキシ化シス-1,4-ポリブタジェンのモノマーシークェンス分布を13CNMRによって測定した. ポリマーのエポキシ化は過酸化水素と少量のギ酸からin situに生成する過酸を用いて行った. エポキシ化ユニットの定量はポリマーの1HNMRから算出した. 13CNMRスペクトルには元のシス-1,4構造の他にオレフィン炭素領域に3本, メチレン炭素領域に4本の新たなシグナルが現れる. スベクトルの帰属はランタニドシフト試薬の使用やエポキシ含量の異なるポリマーのシグナル強度の比較から行った. 各シグナルはシス-1,4とエポキシ化ユニットのdyad, またはtriadで説明できる. ピークの相対強度はシス-1,4とエポキシ化ユニットの分布にランダム仮定をおいた計算値とメチレン炭素だけでなくオレフィン炭素領域においてもよく一致する. この結果はエポキシ化される位置は既に反応している構造に影響されないことを示している.

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