二段塊状重合法ポリ塩化ビニル (b-PVC) と懸濁重合法PVC (s-PVC) の各粉体のモルホロジーが各粉体の熱安定性にどのように影響するかを知るために, 示差熟分析 (DTA) 及び熱天びんを使用して重量変化 (TGA) を求めた結果, N2ガス雰囲気中では, 両者の間に明確な差を見ることができないのに対し, 空気雰囲気中では, TGAから求めた微分重量変化曲線 (DTGA) で, その最大値の生ずる温度を比較すると, s-PVCでは5%, 270℃であるのに対し, b-PVCでは3.8%, 280℃であり最大値が小さくまた最大値の生ずる分解温度が高温側に移行している. DTA では270℃から280℃付近に現れる吸熟ビークがb-PVC ではほとんど見ることができないなどの結果を得, この理由について考察を行った結果, 各 PVC 粉体のモルホロジーに起因するものであると結論した.