高分子論文集
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ビベンジル, スチルベン, 及びトラン構造を含む芳香族アゾポリマーの合成と性質
井上 和人今井 淑夫長田 義仁
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1984 年 41 巻 12 号 p. 711-716

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抄録

ビベンジル, trans-スチルベン, 及びトランの4, 4′-及び3, 4′-ジアミノ置換体の酸化カップリング重合により芳香族アゾポリマーを合成した. ビベンジル構造を含むアゾポリマーの対数粘度は1.0~1.8dl/g, trans-スチルベン構造, 及びトラン構造を含むアゾポリマーのそれは0.3~0.4dl/gであった. これらの芳香族アゾポリマーは黒褐色の粉末であり, メタンスルホン酸に熱時可溶であるが, N, N-ジメチルアセトアミドなどの他のすべての溶媒に不溶であった. 3, 4′-系のアゾポリマーは非晶質であるが, 4, 4′-系のアゾポリマーは結晶性であった. 熱分析の結果によると, これらの芳香族アゾポリマーはいずれも不融のポリマーであり, 10%重量減少温度は空気中で400℃以上, 窒素中で450℃以上であった. 4, 4′-系及び3, 4′-系とも, その熱安定性は次の順に増大することが明らかになった. ビベンジル構造を含むポリマー<trans-スチルベン構造を含むポリマー<トラン構造を含むポリマー. 更に, 可視光照射によるこれらの芳香族アゾポリマーの光異性化速度定数をメタンスルホン酸中, 30℃で求めた.

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