高分子論文集
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ポリテトラフルオロエチレンの融解挙動に対する圧延効果
羽田 次夫高橋 重三野村 春治黒川 正隆
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1984 年 41 巻 7 号 p. 397-405

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抄録

ポリテトラフルオロエチレン (PTFE) の融解挙動及び溶解時の構造に及ぼす圧延の影響を解明するために, PTFE生テープ及び高温延伸テープの圧延あるいは圧縮の程度を変えた試料を作製し, 熱分析 (熱機械分析 (TMA) 及び示差熱分析 (DTA)) 及び電子顕微鏡を用いて調べた. 生テープの場合には, 圧延の程度によって, TMAサーモグラムに明確な差異は生じない. 一方, 高温延伸テープでは強い圧延により, 短時間の焼結処理に似た効果が現れ, TMAサーモグラムに明確な相違が生じる. 融解領域の適当な温度まで昇温することにより, 元試料が示すショルダーを含む複雑なDTA曲線からめいりょうなダブルピークに変化し, 熱処理温度を更に上げれば, 焼結試料が示すシャープなシングルピークへと変化した.

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© 社団法人 高分子学会
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