ポリ (γ-ペンジルL-グルタマート) の分子量の異なる三試料についてジメチルホルムアミドを溶媒として沈降平衡実験を行い, 溶媒の過剰化学ポテンシャル (Δμ0) SEDの濃度υ1微分 (∂ (Δμ0) /∂υ1] EBDを求めた. (Δμ0) EBDを分子量分布について補正すると, 久保と荻野の同じ系に対する浸透圧データからの値によく一致した. (Δμ0) SEDの濃度依存性からFlory-Abe理論に従って求めた相互作用パラメーターχは負で, 高分子濃度の増加とともに減少した. 軸比χwの大きいところでは, 等方一液晶相境界濃度υ1′, V1″はFlory理論の値 (χ=0) より大きかったが, χwの減少につれてυ1′, υ1″共にFlory理論の予想よりずっと緩かに増加し, χw<30ではOnsagerの理論値に近づいた. χ及びυ1′, υ1″についてよく似た傾向をシゾフィラン水溶液にも見いだした. Flory理論に負のχと配向に依存する非等方性相互作用の項G2 (G2<0) を導入することによりこれらの結果をほぼ定量的に説明できた.