アクリル酸モノマーと橋かけ剤メチレンビスアクリルアミドの共重合反応によって調整された橋かけ密度と中和度の異なる各種高分子電解質ゲルの有効橋かけ密度, すなわちゲルの構造因子をゴム弾性率の測定より求めた. 弾性率の測定は膨潤ゲル上にガラス小球を乗せ, ガラス球の重量によって窪むゲルの変形量を測定するいわゆるHertz法を適用した. 測定結果は橋かけ剤の仕込量より求めた計算値に比べて二桁も小さい構造因子が得られ, 橋かけはかなり不完全であることが分かった. また, Floryのゲル膨潤の理論に基づいて, 高分子電解質ゲルの有効解離度を仮定して膨潤度の測定値から推定したゲルの構造因子はゴム弾性より求めた値に比べてやや大きいが, 同じオーダーであった.