高分子論文集
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ポリイミド膜の気体選択透過性
田中 一宏喜多 英敏岡本 健一
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1990 年 47 巻 12 号 p. 945-951

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抄録

7種類の市膜のポリイミド膜のH2, CO2, CO, CH4の35及び100℃における透過係数Pを測定し, それらのH2/CO, H2/CH4, 及びCO2/CH4の選択透過性と化学構造との関係を考察した. これらの結果を他のガラス状高分子膜のそれと比較した. 耐熱性に優れ, 溶媒可溶性であるBTDA-M/T及びトリカルボキシシクロペンチル酢酸2無水物 (TCDA) とODAとから得られるポリイミドは優れたH2/CO及びH2/CH4選択透過性を示した. これは, これらのポリイミドが, 分子鎖の局所運動と分子鎖の充填を同時に阻害するような化学構造を有するためであると考えられる. BTDA-DABPは, PH2が小さいものの, P比が非常に大きかった. これらのポリイミド膜はPCO2が小さくCO2/CH4分離には適さなかった. 残留有機溶媒の可塑化効果による選択性の低下がみられた.

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