1990 年 47 巻 2 号 p. 119-124
粗トキソイド中のエンドトキシンの選択的吸着剤の開発を目的として研究した. マトリックスはポリアミノ酸の一種であるポリ (γ-メチルL-グルタメート) (PMLG) の単一成分から調製される多孔質球状粒子を用い, グルタミン酸の側鎖にリガンドを導入することによって吸着剤を合成した. PMLG吸着剤はマトリックスの空孔径が排除限界分子量で106以上, 空孔率は70%以上のとき高い吸着率を示した. またアミノ基を導入することによって吸着能を増幅できる. 多孔質PMLG粒子に約0.6meq/gの-NH2基を導入することによって, 破傷風由来トキソイド中のエンドトキシンを選択的に除去した.