高分子論文集
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ポリ [1-N- (2, 3-エポキシプロピル) カルバゾール] の合成と性質
瓜生 敏之大川 春樹花谷 靖之
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1990 年 47 巻 7 号 p. 543-547

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抄録

カルバゾール基を含むエポキシモノマーである1-N- (2, 3-エポキシプロピル) カルバゾール (EPCz) を合成した. このモノマーをジエチル亜鉛-メタノール, 水酸化カリウム, t-ブトキシカリウム, トリエチルアルミニウムを開始剤としてアニオン重合した. 水酸化カリウムやトリエチルアルミニウムを用いて重合したポリマーは比較的低分子量であったが, 良いキャストフィルムを与えた. さらに, ラセミ体のモノマーであるEPCzをキラル化合物充填カラムを用いた高速液体クロマトグラフィーにより光学分割し得られた光学活性モノマーを水酸化カリウムを開始剤として重合した. 13CNMRスペクトルにより, このポリマーは高いアイソタクティシティを持っていることが判明した. このアイソタクティックリッチポリマーのX線回折パターンは, アタクティックポリマーとは異なり, これらのポリマーの結晶構造が異なっていることが示唆された.

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