高分子論文集
Online ISSN : 1881-5685
Print ISSN : 0386-2186
ISSN-L : 0386-2186
ポリビニルアルコール膜に固定化したα-キモトリプシンによるアミノ酸のエステル化とペプチド合成
渡辺 朗乗富 秀富永嶋 徹木瀬 秀夫
著者情報
ジャーナル フリー

1991 年 48 巻 4 号 p. 247-251

詳細
抄録

高濃度親水性有機溶媒中で, 非固定化及びPVA膜に固定化したα-キモトリプシンを触媒として用い, N-アセチル-L-チロシンのエステル合成, 及びN-アセチル-L-チロシンエチルエステルとグリシンアミドからのジペブチドの合成について研究した. いずれの場合も系中に全く水の無い状態では, 酵素は活性を示さないが, 数%の含水濃度で活性を発現し, 合成速度とエステル及びペプチドの収率は水濃度に強い依存性を示した. エステル合成においては, 酵素をPVA膜中に包括固定化することで, Km値は増加したが二次反応速度に変化はなかった. また固定化により, アセトニトリル中でのペプチド合成に対して長期間安定な活性を示す酵素膜が得られた.

著者関連情報
© 社団法人 高分子学会
前の記事 次の記事
feedback
Top