Gd (OCOCCl3) 3触媒および (iso-Bu) 3Al, Et3AlClを助触媒に用い, ヘキサン中, 50℃スチレン (St) 誘導体の共重合を行った. モノマーの共重合反応性に及ぼす置換基効果をHammett式で整理すると, γの値として-4.5を用いると直線的な関係が得られ, 反応定数ρは2.15と求まった. これは従来のZiegler触媒での値ρ=-0.95と異なっており, 希土類金属触媒は従来の遷移金属触媒とは異なる機構の重合触媒であると推定される. また, モノマーのHOMOとLUMOのレベルを用いて, 触媒の重合機構について考察を試みた. Gd (OCOCCl3) 3触媒の場合, donationまたはback-donationが重要な因子となるモノマー, あるいはdonationとback-donationの両因子が重要となるモノマーとに大別できる. しかしα位に置換基をもつStモノマーでは立体効果も考慮する必要があることがわかった.