抄録
代表的な結晶性高分子である脂肪族ポリアミド (ナイロン6) と芳香族ポリアミド (MXD6) との混合系は結晶性高分子同士で相溶性を有する数少ない組合せであることがわかった. 本混合系の融点近傍およびガラス転移点近傍における結晶化挙動を, 光学顕微鏡観察, 光散乱法ならびにX線回折により調べた結果, 融点近傍の高温域ではナイロン6, MXD6はそれぞれ独立に結晶化し (MXD6の結晶化が先行) 共晶を形成しないこと, またガラス転移点近傍の比較的低温ではナイロン6とMXD6の結晶化速度は大きく異なるにもかかわらず, 両ポリマーが同時に結晶化することがわかった.