高分子論文集
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化学合成ポリエステルの土壌中での生分解性とコンポスト化
恵谷 浩平野 元三大谷 孝大野 秋夫
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1998 年 55 巻 9 号 p. 540-548

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抄録
水分調整しシャーレに充填した日本各地の土壌と熟成コンポストの中に, ポリ (ε-カプロラクトン) (PCL) フィルムおよびポリ (ブチレンサクシナート-co-アジペート) (PBSA) フィルムを試料として埋設し, 温度25℃で土壌埋設試験を行った. PCL, PBSAとも分解速度は土壌の土性で大きく異なり, 最も速い土壌では, PCLは埋設80日での重量減少率が100%, 最も遅い土壌ではPCL, PBSAとも埋設80日あるいは90日での重量減少率が約10%であった. 9か所の土壌採取地でのPCLのフィールドテストなどを含めて検討した結果, 土質, 自然環境によっては3年以上分解中のフィルムが残存する場合があることがわかった. またPBSA製生ごみ収集袋を生ごみコンポスト化実証試験プラントに3%混入し, コンポスト化できることを検証した. 破砕されたPBSA製生ごみ収集袋は生ごみの好気性発酵への阻害にならず, 約10~20日で目視で認められなくなる程度に分解し, 好気性コンポスト化処理されることが確かめられた.
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© 社団法人 高分子学会
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