2001 年 58 巻 10 号 p. 507-513
二酸化炭素に両親媒性のブロック腫合体であるポリメタクリル酸tert-ブチル-block-ポリ (メタクリル酸1, 1-ジヒドロパーフルオロオクチル) ジブロック共重合体 (P' BMA-block-PFOMA) の, 液体および超臨界二酸化炭素中でのミセル形成について光散乱解析を用いて検討を行った. 動的光散乱解析の結果, P' BMAセグメントの分子量が4000以上のプロック共重合体は, 超臨界二酸化炭素中で分子量分布の狭いミセルを形成することがわかった. 特に, 半径が13~21nmの範囲にあるミセルを形成するP' BMA-block-PFOMAは, CO2密度0.87~1.04g/cm3にミセルから単量体への転移をもつことが見いだされた. その転移は温度およびジブロック共重合体備成する両方のポリマー鎖長に依存した. 本研究は, CO2中におけるブロック共重合体のミセルから単量体への転移が, ジブロック共重合体のセグメント鎖長によって制御されることを初めて実証したものである. このことは, CO2の溶媒特性だけでなくジブロック共重合体のセグメント鎖長の選択によっても, 共重合体の自己組織化の制御が可能であることを示している.